バネ指になっても痛くなければ、しばらく放置して様子を見ようと考えると思います。
ところで、放置して良くなるんでしょうか?後遺症が残るといったリスクはないんでしょうか?
この記事では次の3つがわかります。
- 自然治癒する場合もあるがリスクもある
- バネ指に似た症状がある
- 注射や手術のいらないバネ指もある
自然治癒する場合もあるがリスクもあ
ほっといたら治るケースはあります。私もバネ指になった時、ほっておいたら治りました。単純な腱鞘炎であれば、ストレッチなどで緩和できる場合があります。
しかし、曲がったままで放置しておくと、そのままで固定されてしまい伸ばすことができなくなる場合があります。指だけでなく関節は動きを固定すると、その状態を記憶する性格があります。
バネ指なったら自分で判断せず診断を受けましょう。たしかに、病院へ行くことで不要な手術を勧められる可能性はあります。しかし、バネ指に似ているけれど全く原因が違う手術が必要な症状もあります。これはエコーを使うなど医師でないとできない範囲です。
信頼できるお医者さんを見つけて、本当にバネ指なのか納得いくまで相談しましょう。
バネ指に似た症状がある
バネ指に似ているけれど全く原因が違う手術が必要な症状にはどんなのがあるんでしょうか。
それぞれ解説します。
- ボクサーズ・ナックル
- 伸筋腱脱臼
- トリガーリスト(手首のばね現象)
ボクサーズ・ナックル
ボクサーが相手のあごをヒットした時、相手のあごの骨と指の伸筋腱と関節包にダメージが加わるため発生するとされています。ボクサーでなくても硬い物とぶつけて発生するケースもあります。
指りこぶしを作ろうとした際に、伸筋腱が本来の位置からずれてしまう現象です。次第に関節に痛みと炎症が出てきて腫れてきます。
腱がずれないようにガイドしている矢状索だけでなく、その下にある関節包まで断裂しているので、伸筋腱は完全にずれています。
伸筋腱脱臼
ボクサーズナックルと似ています。腱がずれないようにガイドしている矢状索がダメージを受けているのはボクサーズナックルと同じですが、その下にある関節包は正常な状態です。
握りこぶしを作ると、腱のガイドをしている矢状索が腱を固定しきれず、伸筋腱がずれた状態になります。
トリガーリスト(手首のばね現象)
手首を曲げるとき、曲げ伸ばしに必要な腱の束が重要になってきます。手首の靭帯の下をくぐり抜ける腱の束(浅指屈筋腱と深指屈筋腱)は、神経や血管といっしょにトンネルの中を走っています。
炎症によって腱が太くなるとトンネル内で屈筋腱がスムーズに通れなくなります。すると曲げのばしで弾く現象が出てきます。
バネ指のような動きに見えますが、手首の腫れが原因となり指の動きに影響がでている状態です。
注射や手術のいらないバネ指もある
純粋なバネ指だったと分かった場合は、注射による治療が検討されます。あまり回数が増えると腱にダメージとなるため手術を提案されるようです。
ところが、手術が必要でないバネ指があります。それは筋肉が原因となっているケースです。
指の動きに関係する筋肉はたくさんあります。腕や肩、肩甲骨などの手に近い部分ですね。これらが緊張しているために起きている場合があります。
腰やお腹などの遠い部分が原因となっている場合もあります。
私たちが施術している中で、手に触れずにバネ指が改善するケースがあります。
またバネ指だけでなく手のしびれや痛みが下半身に隠れていることもたくさんあります。これは日本国内だけだなく、他の国で環境や体格が違う人たちでも同じでした。
なかなか治らないバネ指が治らない時は、指とは別のところに問題がないか視点を変えると良いですね。
大切なこと
- バネ指と思っても自分で判断しない
- バネ指がなかなか治らない時は、医師の診断してもらう
- 手術を勧められた時は、バネ指の原因が指にない場合があることを念頭におく