寝起きの肩こりで寝方よりも見直したいこと

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寝起きの肩こりの原因は、寝方よりも筋肉

朝起きた時の肩や首のこりや痛みは、筋肉が柔軟でないために、寝るために必要な姿勢に変化できないままで寝ているからです。

筋肉は、座るときは座るために必要な長さへと変化します。同じく寝るときには、寝るための姿勢ができるように、体中の筋肉が働いて長さを調整をしています。ところが調整ができないままで布団に入ってしまうと、痛みや不快感が出てくるのです。

朝起きた時の肩や首のこりや痛みは、筋肉が柔軟でないために、寝るために必要な姿勢に変化できないままで寝ているからです。

肩とベッドの隙間

右のイラストは、肩とマットレスの間にすき間が生まれる様子を示しています。右側の肩と床との広さが著しく大きくなっています。

筋肉は、座るときは座るために必要な長さへと変化します。同じく寝るときには、寝るための姿勢ができるように、体中の筋肉が働いて長さを調整をしています。ところが調整ができないままで布団に入ってしまうと、痛みや不快感が出てくるのです。

調整ができないまま眠りにつくと、体の重さを枕やベッドへ預けることができず緊張が続きます。肩や首にだるさを感じるときは、ベッドと肩の間にすき間ができていることがありますが、原因は日頃の姿勢で固定されているからです。

柔軟性が豊かな筋肉は、日ごろの立っているときや座るときの姿勢とは違った、寝るための姿勢ができるように働いてくれます。

朝起きた時に肩や首がつらい方や、寝る姿勢になると首に不快感が出てきて、どうやって寝たら良いのか困っている方は多いです。

あなたも、これまでに横向きやうつ伏せで寝てみたり、枕やマットレスを交換したり、寝る前にストレッチやお風呂で温めたりといった取り組みをされてきたかもしれません。

それでも今日まですっきりしなかったのは、 子供のころのような、しなやかな体へ変化できていなかったからです。眠っている間でも柔軟に姿勢を変化できるようになれば、痛みが出ることはありません。寝る時の肩や首のこりを解決するには、体のゆがみのタイプを知り、ゆがみの原因となる筋肉を伸ばしてあげることが必要です。

この記事は、次のような方にも参考になります
  • ベッドや枕を変えてみたけど改善しなかった
  • 寝る前のストレッチを試してみた
  • 日頃からランニングやヨガなどの運動をしている
  • マッサージなどの施術を受けたことがある

解決に大切なのは、体のクセを知ること

イラストは検査をしている様子で、手の高さが揃っていないことから、肩甲骨の動きに問題がありそうだと予想できます。

体にゆがみが無い人はいません。肩の高さや足の長さが左右で違ったりしています。これは体の使い方が、人によってクセがあるからです。

人間は、動きやすい体の使い方、動かしやすい方、つねに合理的に選択しているからです。動かしにくいからと使わなくなった筋肉は弱くなっていき、ゆがみとして表面化します。

ゆがみを見つけるには、検査を活用します。ゆがみがあることと、痛みが出ることはイコールではありません。ただ多くの場合、ゆがみを直すことで痛みが消えていきます。

そのため肩こりのような不快感を抱えているときは、ゆがみを見つけ、そこから体の使い方のクセを知ることが解決への糸口となります。

施術の記録

なかなか治らない肩こりと首こりは、どのような手順を踏んで良くなっていくのか、記録から見ていきましょう。

STEP
問診
カルテ
カルテ1
  • 症状:仕事中も寝る時にも首・肩に鈍痛がある。朝起きても、疲労が残る。
  • ご年齢:40代
  • お仕事:パソコン作業がメイン
  • 試したこと:カイロプラクティック、鍼(はり)、枕とマットレスの交換、ランニング、ストレッチ
経緯

これまでの流れを時系列にすると、次のような流れになります。

  1. 骨格のゆがみが原因と診断
  2. 長時間の座り姿勢がゆがみの原因と説明を受ける
  3. ストレッチとランニングを開始
  4. 運動やストレッチで良くなったが、安定しない
  5. 寝具を変えてみたが、改善しない
  6. 何が原因なのか、ますます分からない

いろんな治療方法を試すだけでなく、運動を取り入れるなど、試行錯誤を繰り返してらっしゃいました。

STEP
検査

原因を探るために、さまざまな検査を行います。体のさまざま部位は、動かせる範囲は決まっています。例えば顔を見上げるように動かしたとき、顔と天井が平行になるぐらいにまで頭を倒すことができれば、首の動きは問題が無いと判断できます。

もし本来の動きができないでいたり、上下や左右どちらか一方が動かしにくい場合は、痛みを出す原因として特定できます。

検査結果

検査結果に問題があったものに、足指の長さと肩甲骨の場所がありました。

カルテ2

足の親指の長さを左右で比較すると、左足の親指の方が長い状態です。
親指の長さが長くなるのは、足のアーチ(足裏のくぼみ)が低くなっているためでです。主な原因としては、太ももやお尻の筋肉の使い方が体の左右で違うことです。

このように体の中心となる腰まわりの問題は、体の末端に出てきます。

STEP
施術

首や肩に痛みを訴えていますが、最初から首と肩に触れることはしません。理由は2つあります。

①炎症が悪化して、来院回数が増える

肩をマッサージすると一瞬は血行が確実に良くなるので、気持ち良くなります。ところが痛みを出している筋肉は炎症しているので、筋肉を押すことで炎症が大きくなってしまいます。すると常に痛みが出続けることになるので、施術をしている間は、症状が良くなってるのか何も変わっていないのか判断できなくなります。

これでは症状が改善されたのか、その場で分からなくなるので、「今日はここまでです。しばらく様子をみてください」と言うことになり、ご来院の回数が増える結果になります。お客様への負担が増えるのは、望ましくありません。

②痛みが出ている場所に原因が無い

例えば肩の痛みが出ているときは、遠く離れた腰や足に原因が潜んでいることが多いです。肩をもむと気持ち良くなりますが、根本的な改善にはなりません。
また痛みが出ている筋肉は、ゆるめてはいけない筋肉だったりもします。そうなると施術するほどに、さらに悪くなってしまいます。

以上の2つの理由から、 首や肩に痛みを訴えてはいますが、はじめから首と肩に触れることはしません。

施術の内容

整体ならではの施術内容をご紹介します。

抵抗運動による筋肉の調整
側彎矯正のトレーニング

多くの方の背骨を後ろから見ると、アルファベットのCやSのようなカーブを描いていることが多いです。カーブの度合いが大きいと側彎(そくわん)症と診断されます。程度が軽い側彎は誰にでもあり、生活に問題をきたすこともありません。

しかし側彎は体の使い方のクセの表れです。つまり間違った体の使い方を繰り返してきた結果です。側彎が無くなるような体の使い方ができれば、首や肩への影響が少なくなり痛みが無くなります。

イラストは、背骨がまっすぐになるように運動の指導をしています。適切な抵抗をかけながら運動することで、日ごろは眠っている筋肉のスイッチを入れて、本来の働きを再教育をしています。

STEP
再検査

施術の前に実施した検査のときに痛みがあった動きに再び挑戦します。どの動きにも問題がないことを、ご本人に確認してもらいました。仰向けで寝る姿勢での首から肩にかけての違和感も無くなってはいますので、寝起きも問題がないはずです。

今回の症状は何日か就寝しないと本当に良くなってるのか確認できないので、もし寝起きが悪いようでしたら、もう一度診せてくださいとお伝えし終了しました。

理想的な寝るときの体勢

眠りは毎日のことですから、それだけにご相談も多いです。いったいどうやったら、気持ち良く眠り、さわやかに起き上がれるのでしょうか。

どの体勢で寝るのがいいですか?

仰向けで寝ることを、おすすめします。その理由は、最も呼吸をしやすい状態だからです。

横向きやうつ伏せの状態では、肺を取り囲む骨組み(胸郭:きょうかく)がうまく動きません。すると呼吸が浅くなってします。

肺は心臓や腸とは違って、肺そのものが自の力で動くことができません。胸郭が動くことで、肺が大きくなったり小さくなる仕組みになっています。肋骨(ろっこつ)などの胸を取り巻く骨は、それぞれが関節を持っているので、手や指を動かすのと同じように、胸郭を動かすことができます。こうした骨の動きがあって呼吸ができるのです。

寝返りを打つので、つねに理想的な姿勢を保つのは難しいですが、布団に入るときは仰向けがおすすめです。そして寝返りを打っていろんな姿勢になってもスムーズに対応できるぐらいに柔軟な筋肉を備えていれば、気持ち良く朝を迎えることができます。

どう寝ても首が痛いのは、なぜですか?

体が硬いままで寝ているからです。

日中の活動しているときの姿勢と寝ているときの姿勢は違います。ベッドに入ると寝るための姿勢ができるように筋肉が動いてくれます。ところが筋肉が自由に動けないために、寝姿勢の準備ができないままに眠りにつくことがあります。

例えば座る時間が長いと、特定の筋肉の動きが悪くなり自由に伸び縮みできなくなります。ストレッチが肩こりに良いといわれのは、しなやかに動ける筋肉へ戻してくれるからなのです。

まるでロボットのような、ぎこちない動きの筋肉で眠りに入ると、買ったばかりの頃は体が順応できていた枕やベッドの凹凸でさえ合わなくてなってしまいます。こうなると、どんなに枕やベッドを変えても「頭や首の置き場が、どこにも無い」と言いたくなるほどに、どう寝ても首が痛くなります。

ただし柔らか過ぎないベッドを使っていることと、高過ぎない枕を使っているこが前提となります。

整体で問題を解決する手順

幼いころからの遊びやスポーツ、事故や出産といったさまざまな出来事を通して身についた体の使い方が、今日の体の状態を作っています。

もし痛みが出ているなら、「これまでの体の使い方に問題がありますよ」という、あなたの体からのお知らせに他なりません。

解決するための第一の段階は、痛みを止めることです。検査を通した原因の洗い出しをした上で施術をすれば、痛みは軽減します。痛みが改善した状態になってはじめて、正しい体の使い方を習得する準備が整います。

第二段階は、正しい体の使い方を習得していくことです。元の体へ戻らないように、体と脳を変えていきます。

体の痛みは生活習慣が原因となることが多いですから、ストレッチや運動が必要となってきます。歯磨きと同じようにコツコツした継続が大切です。

痛みを解決したいと思ったら、まずは痛みを止めることです。ストレッチや運動は、その後からです。

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