指が伸びない原因は、バネ指かもしれない

曲げたらそのまま。伸ばしたらカクカクして、はじけて伸びる。たいてい突然にして起きるので驚くはずです。まだ病気へ行ってないので何が起きているのか心配ですね。
この記事では、次の3つが分かります。
- 放置は危険:バネ指の可能性
- 必ずしも原因が仕事ではない
- バネ指であっても漢方など自分で判断しない
※音はでません
まず、こちらの動画をご覧ください。もし動きが同じだったらバネ指の可能性があります。
なお、似た疾患があると知っておくことで適切な対応ができます。こちらも参考にしてください。
放置は危険:バネ指の可能性
バネ指の可能性が高いと分かったら、こんどはバネ指の原因が気になると思います。ところが、バネ指の原因は・・・まだ、はっきりしていません。
滑膜説、神経筋由来説、関節構造説、外傷説、炎症説などがあるようですが、いまだ統一した見解はありません。
ここでは病院で説明されることが多い、指の腱鞘炎(狭窄性腱鞘炎)ついて説明します。
腱鞘炎でバネ指になるメカニズム

※図や説明は分かりやすくするため簡略化しています
指を曲げると、腱と呼ばれる部分(赤線)がつな引きをするように指の骨を引っ張ります。
この時、腱がはずれないようにする留め具がないと、うまく曲げることはできません。イラストの茶色い部分です。
この留め具はトンネル構造をしていて腱鞘と呼ばれます。その構造はベルト通しや、リール竿のガイドに似ています。
この腱が炎症によって太くなると、指の中をスムーズに動くことができません。その結果、指の曲げ伸ばしをすると引っ掛かりがおきたり、痛みが出てきます。
くわしくは、こちらの記事をご覧ください。
腱や腱鞘に炎症が起きる原因は、次のものがあります。
- 指の使いすぎ
- 女性ホルモンの低下
まとめると
- バネ指になる原因は、まだハッキリしていない。
- 指の腱鞘炎として説明されることが多い。
- 腱鞘炎の原因は、指の使いすぎ、女性ホルモンの低下
もし症状が動画と同じだったらバネ指の可能性がありますが、そうでない可能性があるので病院へ行くことをお勧めします。
必ずしも仕事が原因ではない


使いすぎとう説が多いので仕事を気にする方がいます。たしかに指に力を入れる作業や、パソコンのような指を使う仕事をしていると仕事に原因を疑います。しかし、必ずしも仕事が影響しているとは断言できません。
Kasdan MLらによると、516人のバネ指患者の仕事を調べたところ、重いものをもったり、強く握る作業をしている患者は、全体の34.5%でした。∗1
Hansfordらは「90分以上の連続した手仕事は、腕の血流(橈骨・尺骨動脈)を減少させており、腱鞘炎の発生要因になる」としています。∗2 このことから握る動作よりも、工具やラケットなど長時間に渡って握ったままでいることが原因で誘発されると考えられます
ずっと包丁を握り続けるような職業でなければ、指の使いすぎを原因とするのではなく、別のところに原因がないか視点を変えるといいです。
まとめると
- 手の使いすぎが原因とは限らない
- 長時間にわたり握り続ける仕事は原因となる可能性が高い
∗1 J Ky Med Assoc et al. Trigger finger: not always work-related. 1996 Nov;94(11):498-9.
∗2 Hansford T et al. Blood flow changes at the wrist in manual workers after preventive interventions. J Hand Surg Am. 1986 Jul;11(4):503-8.
バネ指であっても漢方など自分で判断しない
まずドクターに診てもらいましょう。バネ指かもしれないし、他の疾患かもしれないからです。
診断でバネ指だと指摘された場合は、女性ホルモン、使いすぎの話があるかもしれません。
しかし本当に、それらが原因なのか知っておくことが大切です。
私たちのクライアントさんには、女性ホルモンや使いすぎが原因の腱鞘炎と診断され手術を提案された方が、筋肉の緊張をほぐすだけで改善するケースがあります。
まずお病院で何が起きているのか診てもらいましょう。
もし先生の治療で改善がなければ、腰や肩の筋肉に原因がないかも相談してみましょう。
女性はホルモンとバネ指の関係について知っておくと、たとえ痛みや関節の悩みがあっても余計な心配が減ることでしょう。こちらを参考にしてください。