バネ指:ゴルフを続けるために見直すこと

指のマッサージやストレッチしてもバネ指が改善しない。ゴルフ続けていいのか気になる。
もし、グリップの握り方など部分的なアプローチをしても改善しないなら、体の全体を見直すべきです。
練習のしすぎでバネ指(腱鞘炎)になることは少なく、筋肉の緊張が残った体のままでいることが、手や指に負担をかける原因になっています。これはゴルフだけでなく演奏家や一般の方も同じです。
この記事では、次の3つがわかります。
- グリップの握り方を変えてもダメなら全身を見直すべき
- 予防が大切:注射しても50%が再発する事実
- 治療と予防を同時にすると改善がはやい
バネ指だけでなく手の痛みやしびれは、当サロンでは手に触れずに改善しています。バネ指といっても指に本当の原因があることは少ないです。全身を見直すという提案には信頼性があると考えてよいと思います。
グリップの握り方を変えてもダメなら全身を見直すべき


ゴルフに限らずテニスや楽器など道具を使って競技する場合、特定の動きで痛みが出るなら、扱い方を見直すべきです。なぜなら、痛みがおきる条件が限定されているからです。
しかし、この記事をご覧になっているということは、すでにいろんな解決方法を試したと思います。
指に問題が起きているので、グリップの強さや締め方の見直しが多いと思います。
グリップを見直して良くならないなら、別のところに原因を探すとよいです。
野球選手を例にすると、バットをスイングする時は体をねじる動きでパワーを伝達しています。手や腕だけを動かしている訳ではありません。
もし、ねこ背でスイングすると胸や背中は自由にねじることができない為、腰で動かない範囲をカバーします。さらに、ねこ背では首が自由に回りません。おのずと肩の動きも制限がかかります。
結果、全身の筋肉の使い方に無理がかさなり、腰や肩といった弱いところに故障が出てきます。
ゴルフでバネ指になったのは、指という弱いところに影響が出てしまったということです。体の姿勢や全身の筋肉に動きの悪いところや、押して痛みを感じる筋肉がないかチェックしましょう。
予防が大切。注射しても45%は再発している
すぐに良くなるからと注射をするのも1つですが、根本から改善するには予防が大切です。
なぜなら、指だけにフォーカスしていては、本当の問題は解決しておらず再発のリスクがあるからです。

再発は最初の2年に集中している
バネ指の治療でステロイドの注射をしても、長期(10年)再発しなかったのは45%にとどまっています。
2000年にWojahn RDらがバネ指(弾発指)患者366人を対象に追跡調査をしたものです∗1コルチコステロイド(CS)注射を初めて受けた患者において、10年後も再発しなかったのは女性で56%、男性で35%だったというものです。上のグラフは注射後の最初の2年に再発が集中し、10年後も再発していない患者は全体の45%にとどまることを示しています。

再発は最初の2年に集中している
バネ指の治療でステロイド注射をしても、10年後も再発しなかったのは45%にとどまっています。
2000年にWojahn RDらがバネ指(弾発指)患者366人を対象に追跡調査をしたものです∗1コルチコステロイド(CS)注射を初めて受けた患者において、10年後も再発しなかったのは女性で56%、男性で35%だったというものです。上のグラフは注射後の最初の2年に再発が集中し、10年後も再発していない患者は全体の45%にとどまることを示しています。
メンテナンスの大切さを証明する経験があります。
メンテナンスせずにランニングをしてみたんです。人が走るとき体をひねりながら推進力を生み出しているわけですが、あえてひねる動きをさまたげるように、下半身の筋肉を硬いままにしてランニングしてみました。結果は、首、腰、肩に痛みが強くでました。その後、筋肉をリリースして走ると、痛みがでないどころかスコアが良くなりました。
どんなに良い治療を受けても、予防もせずにいると、再発することは予想できます。大好きなゴルフを長く楽しむためにも、予防に力を入れることをお勧めします。
∗1 Wojahn RD,et al.Long-Term Outcomes Following a Single Corticosteroid Injection for Trigger Finger.J Bone Joint Surg Am. 2014 Nov 19;96(22):1849-54.
今すること:治療と予防を同時にすると改善がはやい
ゴルフの前にストレッチを取りれるなど予防をお勧めします。
当サロンでも、セルフケアをしながら施術を受けている方は改善がはやいです。これは、日本だけでなく海外の暮らしや体格がことなる場合でも同じです。
もし今すぐチェックしたいのであれば、体を動きに左右差がないかチェックすると良いです。
体を右にねじった時だけ痛みが出るとか、ねじりにくいのであれば、ひねりを邪魔する筋肉を探してゆるめてみましょう。ねこ背なら、ただしい姿勢をとりずらくしている筋肉をゆるめます。ねこ背の人で筋肉が硬いところは、だいたい決まっています。足・太もも・お尻・おなか・胸などです。押して痛い、動かして痛い、何もしなくても痛いのは筋肉のコンディションは良くないと判断してください。
まずは、このあたりの筋肉を押して痛みがあるなら整えてましょう。