ばね指:はやく改善するための基礎知識

もくじ
指が動くメカニズム


指を曲げると、腱と呼ばれる部分(赤線)がつな引きをするように指の骨を引っ張ります。
この時、腱がはずれないようにする留め具がないと、うまく曲げることはできません。イラストの茶色い部分です。
この留め具はトンネル構造をしていて腱鞘[けんしょう]と呼ばれます。その構造はベルト通しや、リール竿のガイドに似ています。解剖書によって説明はやや違いますが、9つの腱鞘があります。
原因は、腱が太くなりトンネルで渋滞
この腱が炎症によって太くなると、指の中をスムーズに動くことができません。その結果、指の曲げ伸ばしをすると引っ掛かりがおきたり、痛みが出てきます。
9つの腱鞘の中でも、腱の通過障害に関係するのは2つ(A1・A2腱鞘)です。
どうして炎症が起きるのでしょうか?多くの場合は指の使い過ぎとされています。また硬い物を握りながら作業するなど、指の付け根に圧力を加えながらの動作が原因になることもあります。例えば、ギターの演奏やラケットを握るなどです。
発生する頻度が親指・中指・薬指に多く、ひとさし指や小指にも現れます。
お腹の筋肉が原因の場合がある
指を動かすのは、指や腕の筋肉だけではありません。
そのため、指とは別の筋肉が硬くなっているために、指の動きが悪くなるケースがあります。
腕や肩の筋肉をゆるめると改善する場合もありますが、お腹の筋肉が影響していることもあります。
そのため、なかなか病院の治療で改善しない場合は、視点を変えて体の全体を診るとよいです。
手に触れずに改善したケース
これまでにも、上半身を中心としたストレッチで改善した例があります。
20代の女性で、産後にばね指が発生しました。
実施した内容は
- 骨盤の傾きを調整
- 股関節の動きを調整
- 背中や肩の筋肉をゆるめるストレッチ
赤ちゃんを無理な姿勢で抱っこすることが手首や腕に負担をかけることは想定されますが、腰と背中を中心とした施術で解決していますので、手首だけを診ていたら解決はなかったでしょう。
満足されたことの1つは、痛いところに触れなかったことです。ばね指に気づいてすぐに施術をしたので、1回の施術で改善されました。産後はめまぐるしい変化でストレスが多いですから、悩みはできるだけ少ない方がいいですね。すぐに解消してよかったです。
まずは専門医で診てもらいましょう
生活では大きく困っていないために放置する方もいらっしゃいます。
しかし、指が伸びない状態で放っていると、曲がったままの状態で関節が固定される可能性があります。
専門医の診断を受け、適切なアドバイスを受けましょう。
手術を避けたい時にすること
なかには、2、3回の注射で改善がなければ手術を提案される場合があります。
手に原因があり、解決を急いでいる場合はよい選択選択肢です。即日で終わり、保険も適応されて経済的に負担の少ない治療方法です。
一方でメスを入れるからにはリスクがつきものです。例えば、神経にダメージが加わり、神経障害が起きる場合です。医師も人間ですから起きる可能性があります。
もしあなたが
- 説明はしっかり受けたものの手術への不安が残る方
- 神経へのダメージが不安で手術を延期されている方
- 過去に手術をしたけれど再発しているので不安な方
など、手術しない解決方法を探している方は、筋肉の仕組みやつながり(運動連鎖・解剖学)にあかるい治療家を探すとよいでしょう。
探し方ですが、ホームページやブログを見て、バネ指や腱鞘炎に対して骨盤や足の調整といった全身のバランスを診る説明があれば相談してみる価値があります。
はやく解決するためにすること
- まずは専門医に診断してもらいましょう(腱が断裂しているなど機械がないと見えない部分がある)
- 注射しても改善がなければ、他の部分に原因が隠れている可能性を疑いましょう。
- 手術を避けたい、手術で治らなかった場合は、筋肉のつながりから全身を診る施術を視野に入れましょう。
- 筋肉の仕組みやつながり(運動連鎖・解剖学)にあかるい治療家を探しましょう。
- バネ指を放置すると、曲がった状態で関節が固まる可能性があります。早めのアプローチが大切です。